台東県の杉原湾で、南島文化を象徴する伝統舟の命名式が行われ、「Mata No Riyal(海洋之眼)」と名付けられた。関係者が見守る中、祝福の儀式が執り行われ、国際協力によって製作された舟の完成が正式に披露された。


この舟は、グアムのチャモロ族、蘭嶼のヤミ(タオ)族、さらにアミ族の工芸職人らが参加し、57日間にわたる協働作業を経て完成したもの。船体には各民族の伝統技術が融合されており、チャモロ族の航海用フレーム構造、ヤミ族の木板接合技術、アミ族の竹や藤を用いた編みと結束技法などが取り入れられている。

南島語族の世界観では、海は隔てる境界ではなく、人と人、地域と地域をつなぐ道とされる。「海洋之眼」という名称には、太平洋を見つめる“眼”として未来への展望を示すと同時に、文化や記憶を守り継ぐ象徴的な意味が込められている。
主催者によると、この舟は5月に東部海岸を北上する航海に出発し、「2026台東博覧会」に向けた広報活動の一環として各地を巡る予定。
杉原湾の莿桐海洋学習基地では、完成した舟を一般公開しており、来訪者は南島文化の伝統工芸と国際交流の成果を間近で体感できる。




