台湾・台東県(縣)ニュース

日本人にはあまり馴染みのない東台湾・台東縣。今、台東縣では地域活性化・地方創生を成功させ、確実に成果を挙げています。その台東縣の最新ニュースをお届けします。

ボランティアの力が地域活性化へも直結する ボランティア活動のモチベーションアップの政策

台東縣には、194のボランティアチーム、6,914名ものボランティアがいます。これは、県全体の人口の3%以上がボランティア活動に参加していることを意味します。言い換えれば、街を歩いていて30人の県民とすれ違えば、そのうち1人は、台東縣の地を守り支えているボランティアということになります。この強い社会的結束力こそが、台東縣が前へ進むための最大の支えであることは間違いの無い事でしょう。

 

台東縣政府は毎年、優秀なボランティア個人・団体を表彰しており、2025年度は、296組の優秀なボランティア個人・団体を表彰されました。

 

受賞された皆さん一人ひとりが、心を打つ台東のロールモデルです。

🌟 98歳の戴昭霖さん

弱者支援協会で活動を続け、「生涯ボランティア」の精神を行動で示してくださいました。

 

🌟 “サービスの達人” 張石堂さん

累計奉仕時間は2万時間超。12年間にわたり病院で患者さんを案内し続けてきた、その揺るがぬ姿勢は多くの人の胸を打ちます。

 

🌟 ゴールドメダル賞の栄誉

今年は6名が奉仕時間8,000時間を達成し、ボランティア活動における最高栄誉である全国優秀ゴールドメダル賞を受賞しました。


台東縣縣長(知事)の饒慶鈴氏は「政府の手が届かない場所を補ってくださっているボランティアの皆さんに、心から感謝します。この善意の力を持続可能なものにするため、台東縣政府は「志願服務推廣中心(ボランティアサービス推進センター)」を通じて、充実した保険制度や研修制度を整備するとともに、「時間銀行(タイムバンク)*1」や「靈性照顧(スピリチュアルケア)」といった革新的なサービスも推進し、安心して活動できる環境づくりに努めています。

また、特約店舗や各機関、関係パートナーの皆さんとの官民連携により、善意が台東の中で循環し続けています。

皆さん、本当にありがとうございます。

あなた方のおかげで、台東はより温かく、より美しい場所になっています。」と感謝の気持ちを述べました。

 

「奉仕の心」は、台湾人は幼いころからその重要性を家庭、学校、社会から教わっています。台湾人の多くは、「見返りは求めない。困っている人がいれば、自分の出来る範囲で助けてあげることは当たり前」という考えがあります。

その一方で、目の前で交通事故が発生しても横目でそれを見て通り過ぎていくという一面ももっています。これは「面倒には巻き込まれたくない」という考えがあるからです。しかしこれは、過去に助けに入った人が当事者たちによりいつの間にか加害者にされているというケースが実際に発生し、自然と、自己防衛能力が働く様になったからで、決して、無関心という訳ではありません。

 

台湾人の「奉仕の心」の基盤となっているのが儒教の教えであることは既にご存知の方も多いと思います。

最近では台北や台中、高雄といった大都会では人間関係も希薄となりつつある台湾ですが、東台湾の花蓮・台東では昔の良き時代の台湾人気質が根強く残っており、その代表的なものがこのボランティア活動です。

日本では「タイムバンク」は定着していないが、何故、定着していないのかの検証を早急に行い、改善すべき点は改善し、ボランティア精神が一人でも多くの人達に浸透していくよう、行政も努力すべきではないかと思います。特に、中山間地域においては、ボランティアの力が地域活性化へも直結すると思います。
その浸透方法の一つとして、台東縣政府の様に、優秀ボランティアに対する表彰という方法も参考にしてもらいたい。

 

*1 時間銀行(タイムバンク)とは、お金の代わりに「時間」を共通の交換単位として、メンバー間でサービスを融通し合う仕組みです。自分が提供できるサービス(家事、育児、スキル提供など)を行うと「時間預金」として時間が貯まり、困ったときにその貯まった時間を使って他の人からサービスを受けることができます。金銭のやり取りなしに、地域住民がお互いに助け合う「相互扶助」のシステムで、特に欧米や日本の一部地域でコミュニティ再生の手段として注目されています。

≪仕組みのポイント≫

時間預金: サービスを提供すると、かかった時間分(例:1時間)が「時間預金」としてアカウントに記録されます。

時間利用: 必要な時に、貯まっている時間を使って他のメンバーからサービスを受けられます。

金銭の介在なし: サービスは時間単位で交換され、金銭は介在しません。

多方向的な助け合い: 1対1ではなく、グループ内で多方向的に助け合うことで、孤立を防ぎ、つながりを生み出します。

≪具体例≫

AさんがBさんの買い物を30分手伝う → Aさんに30分貯まる。

BさんがCさんの子どもの面倒を1時間見る → Bさんに1時間貯まる。

CさんがAさんの庭の手入れを30分手伝う → Cさんに30分貯まる。

Aさんは貯まった30分を使って、別のメンバーDさんから30分分のサービス(ゴミ出し手伝いなど)を受ける。

≪目的と背景≫

高齢化・コミュニティ希薄化への対応: 行政サービスの手が届きにくい部分を、地域住民の助け合いで補完する。

「見えない労働」の価値化: 金銭評価が難しい家事、育児、介護などの労働に価値を与え、支え合う。

経済的困難への対策: 経済危機時にも、お金に頼らず生活を支え合う手段として機能する(スペインの事例など)。

≪日本での取り組み≫

1970年代に「ボランティア労力銀行」が始まり、高齢者介護支援の「ふれあい切符」などもあったが、広く定着はしなかった。

近年、茨城県などで地域コミュニティ活性化のためのモデル事業として再注目され、NPOなどが運営を担う動きもある。

 

出典:台東縣政府社會處

写真:同上

この記事は2026.01.03台東縣政府社會處発表の内容を日本語訳し活用したものです。原文と相違がある場合は、公式サイトに掲載されている原文が優先されます。