台湾・台東県(縣)ニュース

日本人にはあまり馴染みのない東台湾・台東縣。今、台東縣では地域活性化・地方創生を成功させ、確実に成果を挙げています。その台東縣の最新ニュースをお届けします。

台湾の木工技術が国際舞台で輝く!

2025年アジア技能競技大会が台北市の南港展示館で開催され、今回も台東の若者たちが誇らしい成績を収めた。

臺東縣私立公東高級工業職業學校(以下、公東高工と称す)の2名の選手が、家具木工と建具木工の両部門で、確かな技術と落ち着いた姿勢を武器に金メダルを獲得し、「台湾木工」の名をアジアの頂点へと押し上げた。

 

🏅 建具木工 金メダル|陳亮維(家具木工科卒業)

🏅 家具木工 金メダル|陳祈聖(室内空間設計科卒業)

二人がここまで来られたのは、幸運ではなく、“毎日工房に残り、深夜まで練習し続けた努力”があったからこそ。

羅正明主任と公東チームは長年にわたり、国際大会レベルを基準として、手刨(しゅほう)*1榫接(そんせつ)*2・作品精度などすべてを徹底して鍛え上げてきた。その積み重ねが、ついに国際舞台で大きな花を咲かせたのである。

 

競技中にトラブルが起きた際、陳亮維氏は冷静に工法を調整し、積み重ねた経験でペースを立て直し、陳祈聖氏は時間ギリギリまで全力で作業し、その精密さと仕上がりの美しさが審査員から高い評価を受けた。

陳祈聖氏の「練習を続ければ、僻地(へきち)でもアジアでNo.1になれる」という言葉は、多くの人の心を打ち、台東の子どもたちの精神を象徴しているといえよう。

また、塗装装飾のエキシビション競技では、1年生の黃奕樺氏が存在感を発揮し、

イベントのダイジェスト映像の表紙にも登場。

新世代の技職エネルギーを示し、自身に素晴らしい第一歩を刻んだ。

 

公東高工は、創立者・錫質平神父の頃から「自分の力で立つことができる若者を育てる」ことを掲げ、確かな技術、整った実習環境、そして世界に挑む度量を育んできた。

今回のダブル金メダルは、その教育理念が確かなものであることを何よりも雄弁に証明していると言える。

 

台東縣の学校ではデジタル化、スマート教育が成果をあがているが、その一方で、伝統技法もしっかりと守り抜かれている。

台湾、特に、東台湾には日本統治時代の木造の建造物も数多く残されており、その改築、修復には、高度な技術が求められる。

伝統技法を若い人達にしっかりと伝承している台東縣の教育姿勢には感服する。

 

*1 手刨(しゅほう)とは、手彫り(てぼり)とも呼ばれ、刃物(彫刻刀やノミなど)を使って木材、石材、氷などに文字や絵柄を彫り刻む技法のことです。

 

*2 榫接(そんせつ)とは、釘や接着剤を使わずに、木材の凸部分(榫頭/ほぞ)と凹部分(卯眼/ほぞあな)を組み合わせて接合する伝統的な木工技術です。別名「榫卯(そんぼう)」とも呼ばれ、木材同士が互いに支え合うことで強度が増し、家具や建築物を長持ちさせるための、熟練の職人技です。

≪榫接の主な特徴とメリット≫

釘・接着剤不要: 金属や化学物質を使わないため、木材本来の美しさを活かせ、環境にも優しいです。

高い強度と耐久性: 複数のパーツが一体となって荷重を分散するため、非常に頑丈で、数十年から数百年持つ製品も作れます。

伸縮への対応: 木材の熱膨張や収縮に対応できる構造で、反りや割れを防ぎます。

美しい仕上がり: 継ぎ目が美しく、精巧な作りが特徴で、高度な技術が要求されます。

≪代表的な榫接の種類≫

平榫(ひらぞん): 最も基本的な方法で、板の縁や表面を接合するのに使われます。

燕尾榫(えんびそん/鳩尾榫): 燕の尾のような形状で、引き出しや箱の角など、特に強度が必要な部分に用いられます。

十字搭接(じゅうじとうせつ): 2本の木材を十字に組み合わせる方法で、棚や格子などに使われます。

企口板(きぐちいた/留め継ぎ): 板と板を凹凸で連結し、ドアや床板などに使われ、伸縮にも対応します。

≪現代での活用≫

伝統的な建築や家具製造で受け継がれるだけでなく、現代の家具デザインやアート作品、さらには木の特性を活かした新たな表現方法としても応用されています。

 

出典:台東縣政府教育處、台東縣議會議長吳秀華

写真:同上

この記事は2025.12.04台東縣議會議長吳秀華、台東縣政府教育處発表の内容を日本語訳し活用したものです。原文と相違がある場合は、公式サイトに掲載されている原文が優先されます。