台湾・台東県(縣)ニュース

日本人にはあまり馴染みのない東台湾・台東縣。今、台東縣では地域活性化・地方創生を成功させ、確実に成果を挙げています。その台東縣の最新ニュースをお届けします。

「音を味わう芸術祭」 芸術で地域を盛り上げる台東縣

台東縣政府は、11月8日、臺東美術館大文創教室にて第6回2025臺東聲音藝術節(2025台東サウンドアートフェスティバル)を開幕した。

今年のテーマは「多種多様な生物の絡み合い(The Entanglement of Multispecies:多物種的糾纏)」。6組のアーティスト・レジデンス・プログラム*1(Artist residency practice)と分野を超えたコラボレーションを通して、多種多様な生物が共存する音の風景を創り上げる。

台東縣縣長(知事)饒慶鈴氏は、「皆様に台東の「音風景」を鑑賞し、大地の息吹とリズムを耳で感じていただきたい」呼びかけた。

イベントは霧鹿國小(小学校)のパフォーマンスで幕を開け、饒慶鈴縣長、臺東大學美術產業學系副教授張溥騰氏をはじめとする芸術文化関係者が出席した。

饒慶鈴縣長は、「台東は豊かな自然環境と文化エネルギーを有し、近年、文化と自然を融合させた開発モデルを積極的に推進している」と述べた。

サウンドアートフェスティバルは、このコンセプトの発展と実践であり、音を媒体として、人々が耳を目のように使い、大地と生命の共鳴を再発見し、芸術を通して多様な風景を聴き、見ることができるイベントとなっている。

 

張溥騰副教授は、今年の展覧会は「存在とは関係性、生命とはネットワーク(存在即關係,生命即網絡)」というテーマを軸に展開されていると指摘した。

国内外から6組のアーティストが招かれ、山、森、海岸、集落、そして日常の環境から音を収集し、レジデンス形式で作品を制作することで、人間、自然、そして非人間との繊細な「音」の関係性を提示した。

 

参加アーティストには、王榆鈞、澎葉生(Yannick Dauby)、吳思嶔&張幼欣、廖于萱、楊欽榮、そして、香港からは黃加頌、スイスからはBenjamin Ryserが参加している。

展示作品は、Spanning the sound device*2(橫跨聲音裝置)、映像、Interactive media*3(互動媒體)、そして地域共同制作形式など多岐にわたり、流動的なサウンドエコシステム(聲音生態系)を形成している。

台東縣政府文化處は、この展覧会は「耳で導く(耳朵帶路)」や「音を生み出す(聲音製造)」のワークショップシリーズや、12月6日の本の出版記念会やアーティスト創作フォーラムなど、いくつかのイベントと連動しており、芸術と生活の間の多様な共鳴を体験するよう一般の人々を招いていると付け加えた。

 

イベントは、2025/11/8-12/7まで行われており、開館時間は09:00-12:00、13:30-17:00(月曜日休館)までとなっている。

場所は、臺東美術館山歌廳x小文創教室 (入場無料,自由觀賞)

 

【ワークショップ】

☆11/14(金)14:00-17:00 臺東森林公園

耳朵帶路:攀上樹冠聽見風的呢喃_在樹上練習頃聽

耳に導かれて: 風のささやきを聞くために木のてっぺんに登り、木の中で聞くスキルを練習します。(要予約)

 

☆11/15(土)14:00-17:00都蘭觀海平台

耳朵帶路:傾聽海洋的節奏_以聽覺出發,回到身體與土地

耳に導かれて:海のリズムを聴く―聴覚から始まり、身体と大地へ還る

 

☆11/16(日)10:00-18:30 TTICC臺東縣原住民文化創意產業聚落

聲音製造:萬物有聲,家與土地的迴聲與影子_透過聲音和影像探索家的記憶

TTICC臺東縣原住民文化創意產業聚落:音響制作:すべてのものに音がある、故郷と土地の響きと影――音と映像を通して故郷の記憶を探る

 

☆11/23(日)臺東美術館

09:00-12:00聲音製造_雨落之聲_雨聲棒製作

音作り - 雨の音 - 雨音スティックの作り方

 

13:30-17:00 耳朵帶路_聲音duaiyo

耳で道を先導する - sound duaiyo

 

☆11/24(月)臺東美術館

09:00-18:00(正午から1時間は昼休み)小鐵匠工廠(小さな鍛冶工場)

聲音製造:火與鐵的交會_聽見火光下的鏗鏘聲

音響制作:火と鉄の出会い ― 火明かりの下で響く音

 

【新書發表】

2025/12/6(土)10:00-12:00臺東美術館大文創教室 (入場無料,自由聽講)

 

【藝術家創作論壇】(アーティストクリエイションフォーラム)

2025/12/6(六)13:00~16:00臺東美術館大文創教室 (入場無料,自由聽講)

 

先日も記したが、台東縣は芸術を通しての地域活性化に非常に積極的に取り組んでいる。そして、確実に成果を挙げている。

地域住民の協力、地元企業の協力を得ながら、県全体であらゆるイベントを盛り上げていこうという空気を感じる。

今回は、「音」という目には見えない芸術をテーマに、「耳で味わう芸術」を発信している。

ここで注目したいことは、自分の作品をより多くの人達に知って欲しい、見て欲しい、聴いて欲しいと思っている若手芸術に台東縣はその舞台を提供している。そしてそれは、台東縣にとっても、芸術の街としての大きなアピールにもなり、新たな産業、新たな移住者を招き入れるきっかけにもなっている。

双方にとってメリットがあるということだ。

「プロ」と名乗ることは簡単な事だ。誰だって名乗ることは出来る。しかし、世間から「プロ」として認めてもらうためには、やはり発表する場がなければならない。

日本にも様々な伝統芸術、芸能があるが、そのほとんどが、師匠が認めてくれるまで表舞台に立つことは出来ない。しかし、本当にそれでいいのだろうか。伝統は守りつつも、そこに新たな発想、新たな創作、新たな表現方法が加わり、進化させていく事が重要ではないだろうか。

そのためには、師匠ではなく、市場が認めるか否かだと記者は感じる。

市場とは「しじょう」と読むと共に「いちば」とも読める。「いちば」は常に新鮮さを求められる。伝統芸術、芸能の「しじょう」でも同じ様に新鮮さを求められるのはないだろうか。

 

 

*1 アーティスト レジデンス・プログラムとは、アーティストが一定期間、非日常的な環境に滞在して作品制作やリサーチ活動を行うプログラム、またはそれを支援する制度のことです。略称は「AIR(Artist in Residence)」で、国際交流、地域振興、アーティストの育成などを目的に、自治体、NPO、美術館などが実施しています。

≪活動内容≫

作品制作、リサーチ活動、展示発表

地域住民との交流を通した「まちづくり」への参加

非日常的な環境での創作活動

≪目的≫

優れたアーティストの創作支援

国際的な文化交流の促進

地域文化の振興と活性化

 

*2 Spanning the sound deviceとは、複数のサウンドバイス(スピーカー、ヘッドホン、オーディオインターフェースなど)間で音声を共有、切り替え、または同時に出力する設定や機能を指す可能性があります。例えば、Windowsの設定画面などで、出力デバイスを複数選択したり、デバイス間で音の範囲を広げたり(Spanning)するような状況です。

 

*3 Interactive mediaとは、ユーザーが操作や選択を通じて能動的に関与できる双方向的なメディアのことです。従来のテレビや新聞のような一方的な情報伝達(マスメディア)とは異なり、ユーザーが情報を発信したり、コンテンツの体験がユーザーの働きかけによって変化したりします。

≪主な特徴≫

双方向性:情報の発信者と受信者が相互にやり取りを行います。

参加型:ユーザーがコンテンツに能動的に参加し、操作や選択をします。

パーソナル:ユーザーの要求に応じて情報が配信されることが多く、パーソナルな体験を提供します。

 

 

出典:台東縣政府文化處 台東最速報

写真:同上

この記事は2025.11.09台東縣政府文化處、台東最速報発表の内容を日本語訳し活用したものです。原文と相違がある場合は、公式サイトに掲載されている原文が優先されます。