台湾・台東県(縣)ニュース

日本人にはあまり馴染みのない東台湾・台東縣。今、台東縣では地域活性化・地方創生を成功させ、確実に成果を挙げています。その台東縣の最新ニュースをお届けします。

ドームなど不要!辺鄙な環境を逆手にとって大成功を収める台東縣の100を超える野外イベント・コンサート

台東縣縣長饒慶鈴氏はVision Summit(ビジョンサミット:遠見高峰會)に招待され、台湾全国の人々に「Taitung No-Wall Arena Concert  台東野外コンサート(台東無圍牆巨蛋音樂會)」の具体的な実施内容を説明した。



メディア報道によると、台湾全土の8つの県市に大小10カ所のドーム型アリーナがあり、さらに7カ所が計画・建設中だ。山と海に囲まれた台東の立地条件を考えれば、台東にはドームなど必要がないというのが、台東縣政府の考えである。

 

饒慶鈴縣長はサミットで具体的な事例として次の様なイベント、コンサートを紹介した。

 

☆池上秋收稻穗藝術節|

池上秋收稻穗藝術節を例に挙げましょう。これは池上が紡ぐ地方創生の物語と言えよう。

最初にイベントが開催されたのは17年前の事。当時、多力米の梁正賢氏は「池上にもっと多くの人に来てほしい」というシンプルな思いを抱いていた。ところが、思いがけずピアノの王子様と呼ばれている、陳冠宇氏の演奏が「時代雜誌」で取り上げられることになった。

当初は台灣好基金會が主催していたが、7年を経て徐々に内容も変化し、気が付けば池上鄉の地に完全に根付いたイベントとなっていた。2017年に台灣好基金會が主催者から撤退した後、池上郷のコミュニティ全体が一致団結し、その結果、毎年恒例のイベントとなり、また、秋の収穫とともに訪れる渡り鳥ファンのグループも育まれた。

田んぼで開催されたこの音楽会では、農家の方々に収穫を急がず、田んぼを最高の状態で見せるよう協力をしてもらい、学校も受付と宣伝に協力している。



☆台灣國際熱氣球嘉年華光雕音樂會|台湾国際バルーンカーニバル 光の彫刻と音楽コンサート

台東は黄金色の田んぼだけが自慢ではない。満天の星空、月明かり、潮風、渓谷など、あらゆる瞬間に台東の自然のシンフォニーを味わえる。その自然の恵みを活かし、数々のイベントやコンサートを開催してきた。

例えば、国際的なパイロットから世界で最も美しいものの一つと評される台灣國際熱氣球嘉年華光雕音樂會です。音楽、ドローン、夜空に浮かぶ気球アート、花火などが堪能できる。さらに、三仙台の日の出鑑賞や池上郷の大坡池湖畔の幻想的な霧の風景などがあり、これらは、台東ならではの特別な体験と忘れられない思い出となる。



☆最美星空音樂會|最も美しい星空コンサート

これは台東縣政府がここ数年推進してきたイベント。ステージは小さいが、何よりも大切なのは、来場者に満天の星空をご覧いただくこと。

厳粛な調光儀式を通して、台東のきらめく夜空を感じ、台東の夜が黒ではなく、優しい青であることを実感していただけると思う。

 

2019年以降、毎年5月から9月にかけて、台東縣下の各市鎮郷(市町村)で星空観察音楽会が開催され、年間を通してガイド付きの星空観察ツアーも実施されている。これまでに230名の星空観察ガイドを育成し、450回以上のガイド付き星空観察ツアーと60回以上の音楽会を開催し、2億5,000万台湾ドル(約12億4,000万円)の収益を生み出した。

 

また、星空ステージは分解・再利用が可能で、電子広告など環境に配慮した取り組みを採用している。さらに2021年には、英国BSIのISO20121持続可能性活動管理システム認証(Sustainability Activity Management System Certification:永續性活動管理系統認證)を取得し、台湾で唯一のサステナブルな星空イベントブランドとなった。



☆東浪嘉年華|イーストウェーブカーニバル

杉原灣は台東唯一の海水浴場。2020年5月からは、イーストウェーブカーニバルが開催され、ビーチバレーを楽しむことができる。日中は水遊び、夜は音楽を聴く。同じビーチで二つの素晴らしい体験ができる。



☆跨年音樂會|大晦日コンサート

毎年大晦日に台東海濱公園で行われるのが、跨年音樂會。台東海濱公園は、台北ビックドームアリーナの2.5倍にあたる17ヘクタールの広さを誇る。

2021年、パンデミック収束後、台湾を代表する超有名歌手の阿妹(張惠妹)は世界初の大晦日コンサートを開催し、7万人以上の観客を動員し、5億台湾ドル(約24億8,000万円)の収益を上げた。

写真:中央通信社

今年の台東大晦日には、阿妹(張惠妹)とA-Linという台湾を代表する有名な歌手による「歴史的コラボレーション」が実現する。台東出身の二人のスーパースターは、これまで一度も共演したことがなく、今回が初めての共演となる。他の9組の歌手と共に、このイベントは華々しいものになることが期待されている。

台東では、これら以外にも月光海音樂會、阿米斯音樂節など、様々な野外コンサートが開催されている。これらのコンサートが今まで継続して開催されている事はどれも奇跡と言える。何故ならば、「最も難しいのは神の意思=天気次第だから」です。

現場では、常に状況に合わせて調整していく必要がある。地方自治体、農家、学校、通信会社など、業界を超えた協力と尽力によって、素晴らしいパフォーマンスを実現できたている事にことに饒慶鈴縣長は感謝していると述べた。

 

台東で開催される野外コンサートは、単に、スター達のパフォーマンスを観るだけでなく、来場者の皆で喜びを分かち合い、活気あふれる雰囲気を体験できる場となっている。

台東縣全16市鎮郷の35以上の会場で100以上のイベント、コンサートを開催している。

2021年から2024年にかけて、累計400万人以上の観客を動員し、132億台湾ドル(約656

億万円)の収益を生み出し、観光収入を11.6%増加させた。

 

台東縣全体で年間100以上のイベント、コンサートが開催されている事には驚く。しか

も全てが継続されているのだから素晴らしい。

ちなみに、台東縣の人口は2025年9月現在で208,769人。

人口の分布としては、總人口10萬以上なのが台東市。總人口1至10万人なのが卑南鄉、

成功鎮、太麻里鄉。總人口1萬以下が長濱鄉、東河鄉、池上鄉、關山鎮、海端鄉、延平

鄉、鹿野鄉、金峰鄉、達仁鄉、大武鄉、綠島鄉、蘭嶼鄉となっている。

台東縣における高齢者比率(65歳以上人口の割合)は、2024年末時点で20.11%。 これ

は、台東縣がすでに「超高齢社会(Super-Aged Society)」(高齢化率20%以上)に突入

していることを示している。

主力産業は農業と漁業しかなかった。観光地としては隣の花蓮縣の方が有名で、交通便

も決して良くない。

しかし、台東縣政府は、この辺鄙な環境を逆手に取り、プラス思考で考えた結果が、こ

れらの素晴らしい実績を収める事になったのであろう。

当然、縣政府のみならず、各地域のコミュニティの結びつき、協力、やる気、本気度が

高いからこその結果である。

 

「高齢者ばかりだから」「こんな何もないところに」「周りは田畑だけ」「交通便が不便」

と嘆くよりも、それを資源=収入源に変える柔軟な頭と、実行力が今の日本の中山間地

域には求められているのではないだろうか。

出典:台東縣縣長饒慶鈴氏Facebook

写真:同上

この記事は2025.11.06台東縣縣長饒慶鈴氏発表の内容を日本語訳し活用したものです。原文と相違がある場合は、公式サイトに掲載されている原文が優先されます。